プロフィール
1983年にアルバム『EARTHSHAKER』でメジャーデビュー。
1986年には国内のハードロック・バンドとしてはじめて、日本武道館ライブを開催。
1993年には7th SINGLE『Say Goodbye』を発売し、各地の有線放送局で1位を飾った。
2008年3月には、デビュー25周年メモリアル・アルバム『Quarter』をリリース。
そして2009年11月11日、ニュー・アルバム、「The course of Life」を発表。最高にメロディアスで、強力にハードな音に仕上がっている。このアルバムで唄われているないように、涙を流したり心を揺さぶられる人が、きっと多いことだろう。
彼らは、未だに進化し続けている。
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http://www.earthshaker.jp/
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「The course of Life」
もしかすると、アースシェイカーの数あるアルバムの中でも、今回の
「The course of Life」が、詞の内容や音がもっともハードかもしれない。と同時に、今回のアルバムに収められている楽曲が、これまでの中でもっともメロディアスな印象を受けた。
メンバーの予想をもはるかに超えた仕上がりになったという「The course of Life」。どの世代の人たちにも自信をもって「聴いてください」と言えるアルバムだ。このアルバムを聴いて、ぼくも妻も涙ぐんだほど、魂に響いた。
参考までにこのアルバムは、初回限定でオリジナル・アルバムのほかに、セルフカヴァーでのアコースティック・アルバムもついていて、さらには、2009年1月におこなわれたL.A. GUNS来日公演でのゲスト出演時のライヴ映像と、L.A. GUNSのヴォーカリスト、フィル・ルイスとのセッション映像もパッケージされた、超豪華版となっている。
アースシェイカーのショッピングモールから直接購入されたらいいと思う。
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それでは今回はフロントマンのふたり、ヴォーカルのマーシーさんと、ギターのシャラさんに登場していただこう。
「すごく満足しているし、達成感もある」(シャラ)
Macのノートブックをテーブルに広げ、パソコンに直接インタビューを録音しようとしていると、いつ話したか忘れたが、ぼくがローマ字入力ではなくて "かな入力" だったことを思い出してシャラがこう言った。
シャラ「かな打ちって珍しいよねぇ」
●ねぇ〜(笑)。
シャラ「(笑)。でもどうして "かな打ち" だったの?」
●かつて「卓上ワープロ」というのがあって、あの時代から使っているから、それでかも。
シャラ「ワープロってかな入力だった? ローマ字入力じゃなかったっけ?」
マーシー「両方あったんじゃないかな。かな入力って、全部覚えないといけないでしょ」
●えっ〜。そんなこと言ったって(笑)。
マーシー「(Mac Bookのキーボードを見ながら)これを新たに覚え直すのは大変だよ。"あ" がどこにあるか、探してもわからないよ」
●いいんです(笑)。"あ" はここにあります。
マーシー「おー! あったあった!」
シャラ「そんな場所にあるんや(笑)」
●だからいいんです。ぼくだけわかっていれば(笑)。そんなことより(笑)、今日はよろしくお願いします。
マーシー&シャラ「よろしくお願いします」
●音を聴かせていただきましたが、すごいアルバムですね。強力です。
マーシー「ねっ!?」
●なにかこう……、涙が出そうになりました。
マーシー「泣いてください。泣けばいいじゃないですか」
シャラ「はははっ!(笑)。でもほんと、泣いてほしいね」
●まずマーシーから、今回のアルバムの出来を、自ら語るとすると。
マーシー「出来は最高ですね。間違いなく最高傑作ができたと思います。自分たちがつくっている最中にイメージするものを、どんどん超えていった感じ」
●シャラは?
「すごくいいアルバムができたと思うし、ここしばらく、『AIM』からものすごく水準が高いと思うんですよ。『AIM』、前作の『クォーター』と。それでもやっぱり、このアルバムは、より高い水準までいけたから、すごく満足しているし、達成感もあるよね。こういうところにきてもなお、ちゃんと力が残ってるバンドというのもすごいなと思う」
●今回、アレンジは時間かかりました?
シャラ「一日中やっているから、時間がかかっているのか、かかっていないのか、よくわからない(笑)。ただ、使い慣れた機材でやった分、ストレスがなくて早くできたね」
●オープニングは『Survive』。この歌の、入り方のアイディアがめちゃくちゃかっこいいんですが、これはオープニング用につくられました?
シャラ「いや。そういう意味では、全曲、オープニングのつもりでつくるんよね(笑)」
●なるほど(笑)。
シャラ「(笑)」
●だとすると、曲順を決めるのは難しい?
シャラ「この曲に関しては、マーシーが "この曲が絶対に一曲目だ" って」
●あー、そうなんだ。
マーシー「全部出来上がってから、それもミックスが終わってからでないと決められないけどね。どんなアルバムになるか、イメージはするんだけど、自分たちのイメージを超えるものがどんどん出てくるから、どうすばらしい曲になるかは、最後の最後までわからない」
●ミックスは苦労されました?
マーシー「眠いのは、苦労した(笑)」
●朝まで(笑)。
マーシー「そうそう(笑)。眠いのには苦労した。でもまぁ、苦労はしてないと言えばしてないかな。自分たちがやりたいこともわかっていたし、エンジニアもぼくたちの気持ちをよくわかってくれていたし。迷っていたら時間がかかるのかも知れないけど、つくりながらやりたい音をイメージできるから、その意味では苦労はしなかったかな」
「人の死に触れることも多いし」(マーシー)
●アルバムタイトルが『The course of Life』で、そのタイトル曲がアルバムのラストを飾っているのは、これは結果論ですか?
マーシー「結果論です。全部つなぎ合わせてみた、結果としてこうなった。でもそれぞれそこに、必要だったんだろうね」
シャラ「見事に収まるべくして収まった感じやね」
マーシー「そうそう。結果論だけど、あそこにあるべき曲だったんだよね」
●とてもきれいな流れですね。
マーシー「すばらしいですね」
●詞に関しては、マーシーが6曲。シャラが1曲。そして天野月子さんが3曲かな。
シャラ「うん」
マーシー「そうです」
●たとえば月子さんに対する依頼の仕方はなにか特別なものはあったんですか?
シャラ「以前は "この曲ならつっこちゃんがハマりそうやな" というんで頼んで。『AIM』のときは1曲。『クォーター』のときは2曲書いてもらったんだけど……。自分がいろんなアーティストのレコーディングでギターを弾いているとき、詞を送ってもらって聴いたときに、ぼく以外のギターが入っていると、"あ〜、この曲はぼくが弾きたかったな" みたいな(笑)。そういうことがあるじゃないですか? だから今回は、アレンジが終わった自分の曲を全部つっこちゃんに丸投げして、"このうちのどれか2曲、詞を書いて" って。
それでしばらく聴いてもらったあと、"じゃあこの曲とこの曲" って2曲になったんだけど、もう1曲、『Devils Cake』は、マーシーが "この曲は絶対につっこちゃんにつくってもらいたい" って」
マーシー「うん。この曲を聴いた瞬間にそう思った。ぼくが抱いているつっこちゃんの世界観は、ここにあったんだよね」
●あぁ、そういうことなんですね。
マーシー「そうそう。案の定、ぴったりだった」
シャラ「それで、まだ2曲書き上げていない段階で、"もう1曲、追加しても大丈夫?" みたいな(笑)」
マーシー「でもぴったりハマったね」
シャラ「ハマったねぇ」
マーシー「つっこちゃんはこれまでもすごかったけど、やっぱり3枚目になるとすごい」
シャラ「すごいよね〜」
マーシー「これまでも自分にはない世界がたくさん出てきてすごく楽しかったんだけどね。今回も、自分の世界とダブるものはあるんだけど、言葉のチョイスの仕方が違うから」
●はい。
マーシー「でも本当にハマったね」
●アースシェイカーを知らない人が今回のアルバムを聴いたときに、詞の部分ですごく幅を感じるだろうなと思ったんです。
マーシー&シャラ「うん」
●"いろんな歌があるんだな" って。
シャラ「そうやね。絶妙なハマり具合というか、色具合やね」
●ええ。それと『Survive』については、どんな気持ちで詞はつくりました?
マーシー「曲を聴いたときにすぐイメージができたんだよね。この頃はどうしても人の死に触れることも多いし、自分の死というものについてもいろいろと感じることがあるし。そんな中でずっと思っていたのが、"せっかく生きていくチャンスをもらえているんだったら、終わるのがいつになるかはわからないけど、頑張って最後までいこう" と。それがずっと頭にあって。あとは、それをどういう表現にするかだけで。……全部そんな感じ(笑)」
「生きてきたことはすべて命の証だから」(マーシー)
●ねぇ。そうですよね。あと、"命の証" と書いて『uta』という曲もあります。
マーシー「"命証" ってどんな読み方をするんだろうと思ったら、読み方がないみたいで。ちゃんとした読み方が。こういった言葉自体、どうもないみたい」
●"メイショウ" でもない。
マーシー「"メイショウ" でもない。その言葉自体がないみたい。いま末美くんが言ったみたいに、"命の証" って、"の" をつけないといけないみたいだね」
●"命の、証" 。
マーシー「そうそう。"の" が必要みたい。まぁ、ちゃんと調べたらひょっとしたらそういう言葉があるのかもしけないけど、ぼくが生きている世界ではこの言葉はなかった」
●でも、"命証" とつけたかった。
マーシー「だから "uta" でしょう。ということだよね」
●ない言葉だけど、"命証" と書きたかった。
マーシー「そうそう。生きてきたことはすべて命の証だから」
●ヘヴィですね。
マーシー「いや、ヘヴィではないよ。全然ヘヴィではないよ。当たり前のことです」
シャラ「普通のことやな」
マーシー「そう。普通のこと。現実にいっぱいあるんだから当たり前のこと」
●でも、こういうことを唄うバンドってないですよ。
マーシー「うん。まぁ探せばいるかも知れないけどね。ただ、こういう激しい音でやる人はいないでしょうね」
●アルバムタイトルになっている『The course of Life』の "course" という言葉は、どの意味で "course" を使われました?
マーシー「これはアメリカにあることわざというか、日本で言う "人生行路" みたいなものを、アメリカではこういう表現をするみたい。このフレーズを使って、"人生を乗り越えていく" っていう意味になるみたい」
●"人生を乗り越えていく" ……、
マーシー「"いろんなことがあっても自分の人生を生きていく" っていう。ストレートに訳す言葉ではないみたいよ。すごく深い言葉みたい。それでこの曲にはこの言葉がぴったりだなと思って」
●やっぱり、乗り越えていくものなんでしょうね。
マーシー「生きていくっていうことは、それだけで頑張ることでもあるだろうし。ただこの言葉は、直訳はできないみたい。ぼくは細かいことはわからないけど、この言葉の響きがすごく好きだったから。それを聞いて感じた人が思うことが『The course of Life』でいいと思います」
●今回のアルバムタイトルは、どのタイミングで決まりました?
マーシー「ギター入れしているときに。"タイトルを決めなきゃ" っていろいろ考えていて」
シャラ「そうやったね」
●そのときは、もう曲のタイトルはすべて出ていて。
マーシー「いや、まだだった(笑)。シャラが教えてくれたんだよね。"こういう言葉があるんだけど" って。それで調べみたら、めちゃくちゃ深い意味だということがわかって。それで、"これは今回のアルバムにぴったりだな" と思って」
●その意味でも、誰が聴いても自信をもって "聴いてください" って言えますね。
マーシー「うん。誰にでも聴いてもらえますね」
●みんなシングルカットしたいような、そんな気分です。
シャラ「うん(笑)」
マーシー「今回のアルバムは、たしかにこういうふうにテーマの話をすると重い話になるんだけど、実は重くもなんともない。みんな産まれたときからそうやって生きてきているんだから。だからあらゆる世代に通用すると思う。赤ちゃんだって頑張って生きているし、誰だって頑張って生きているし、悩みはいつもあるし。自分が大人になったときもそうだし、父親や母親だって同じだし。みんなに共通するテーマだから」
「アコースティックでやるなら、そのレンジをちゃんと活かしたものを」(シャラ)
●今回は、満足度が本当に高いですね。
シャラ「うん、高いね」
マーシー「みんなに聴いてもらいたいね。このジャンルを嫌いな人にも聴いてもらいたいんだよね」
●そうなんですよ。
マーシー「なにかこう、立ち止まったときに聴いてもらいたい」
●はい。
マーシー「フン詰まったときに聴いてもらいたい」
シャラ「はははっ!(笑)」
マーシー「答えが出るよ。"さぁ行こう" と思うのかも知れないし、"俺はこんなに強くないから、やっぱりダメだ" と思うかも知れないけど、なんらかの答えが出ると思う。このアルバムを聴けば」
●それと今回は、これまでのアースシェイカーのセルフカヴァーをアコースティックでやっていて。このアレンジもおもしろかったですね。
シャラ「ねっ! おもしろいよね」
●ええ。
シャラ「どうせやるんだったら、よりかっこよくやりたかったから。"いつもやっているエレクトリックの曲を、アコギでジャガジャガやりました" っていうのが、けっこう多いじゃないですか」
●はい。
シャラ「あれって、退屈なんよね。アコースティックでやるなら、そのレンジをちゃんと活かしたものをつくりたくて、こういうアレンジをやってみた」
●マーシーは、唄うのは難しくなかったですか?
マーシー「最初に聴いたときは難しそうと思ったけど、実際に唄ってみると大丈夫だった(笑)。最初アレンジだけを聴いていると、コードがあっちこっちにいくから」
シャラ「はははっ!」
マーシー「"これは難しそうだな" と思ったんだけど、実際に唄いだしてみれば、メロディに合う音だから全然問題なかった」
●これまでの名曲をアコースティックで聴いてみると、より情感が伝わっていますね。
マーシー「メロディーの良さがよく出ているでしょ」
シャラ「出てるね」
●この中に何曲かライヴ・テイクが収録されていますが、これはどこのライヴ・テイクですか?
マーシー「去年、渋谷EASTで演奏した、25周年のライヴ・テイクを改めてちゃんとミックスをして、マスタリングした」
●それプラス、今回はライヴDVDがついているという。
マーシー「お得だよね」
●ねぇ〜。お得感いっぱいですね。
シャラ「これで4,800円だったら安いよね」
●安いですよ。フルサイズのCDが、新曲のCDと、セルフカヴァーのアコースティックCDと2枚ついている上に、さらにライヴCDまでついているんですから、とてもお得ですよ。それで、このアルバムをひっさげて、週末が中心ということもあって、4ヶ月という長いツアーになりましたね。
シャラ「うん」
マーシー「これは前から考えていたんだよね。ぼくらみたいなバンドは、パッとやったらそれで終わってしまうから。テレビに出るわけでもないし。だからツアーを長くやることによって、このアルバムを多くの人に届けたくてね。……ぼくらみたいなバンドは、1ヶ月くらいのツアーをやったら、それで終わっちゃうんだよね。だから今回は長くやりたかった」
シャラ「そやね。がんばってつくったアルバムが、短いツアーをやって、このアルバムのことも終わりみたいになるのがいややったから」
マーシー「だから月の本数が少なくなってもいいから、長くやりたかった。それで今回は4ヶ月のツアーになった」
●それで、横浜は別として、ツアーのしょっぱなが米子になりました。
マーシー「旅のはじまりがね」
●そう。それで米子の連中は、みんな非常に楽しみにしています。
シャラ「うん」
マーシー「去年 "出会い唄" で行ったけど、米子は熱い人ばっかりだもんね」
●そうですね。
マーシー「怖いなぁ。旅の初日が米子って。去年、飲み屋を何軒まわったんやろ?(笑)」
●あのときのマーシーは前泊だったので、本番の日も含めて両日とも3時か4時くらいまで。件数は知らないです。だってぼくは途中で投げて帰ったんですから。
シャラ「はははっ!」
●マーシーをほかの人たちに任せて(笑)。
シャラ「それ、すごいなぁ(笑)」
「シャラと俺の想いがひとつになっている」(マーシー)
●それで今回のツアーは、どんなステージになりそうですか?
マーシー「キャリアが長い分だけ、いつも新譜を出してツアーをしても、新譜からはどうしても少ない曲数しかできないんだよね。そういうツアーが長く続いていたから、今回はいままでのツアーよりも新曲を数多くはやりたいと思っているんだよね。それくらい今回のアルバムに自信があるし。本当に自信作が揃っているから。それにそういった新しい曲が古い曲と混ざっても不自然さはないはずだし」
●たしかにこれだけのキャリアがあると、2時間なり何なりというステージは、年々選曲がとても難しくってきますね。
シャラ「難しいねぇ」
マーシー「難しいといえば難しい。だけど、やらなきゃいけない曲は外せないから(笑)。お客さんは当然むかしの曲をやってくれるだろうと楽しみにして来ているから、そういうお客さんを裏切ることはできないからね」
●ええ。
マーシー「だから古い曲もやって、新しい曲もやって、ということだよね」
●そうですね。だけどまぁ、残念ながら落ちていく曲もあるわけですよね。
マーシー「うん。だけどこのアルバムのツアーだから、とりあえずこのアルバムの曲も聴いてほしいんだ。それと古い曲も楽しんでいただきたい。ただ、今回のアルバムからどの曲をライヴでやるのかは、リハーサルで全曲やってみないとわからないんだよね(笑)。どんな風なサウンドになるか」
シャラ「そうやね(笑)」
マーシー「現時点では、このアルバムをライヴでやるというスタンスでは、まだ音を出していないから」
●なるほど。
マーシー「それをやってから、どの曲をライヴでするのかを決める」
●それにしても繰り返しになりますが、このアルバムは本当にひとりでも多くの人に聴いてほしいですね。
マーシー「そうですね」
●よくここまでいい唄が揃ったなという印象があります。
マーシー「長い間ずっとやり続けてきてからじゃないのかな」
シャラ「そうやね。やり続けないとこういうアルバムはつくれないよねぇ。しかも、中途半端にやり続けていてもできないと思うし。"ナァナァ" でやっていてもね。やっぱり、真剣にがんばってやり続けていくと、なにか形になっていくよね」
マーシー「強いものを持っている人は、いいものが出来上がってきますよ」
●このアルバムはまさに、アースシェイカーがここまで頑張ってきた証のような気がします。
シャラ「うん」
マーシー「うん。やりつづけていたら、突然飛び抜けてよくなっちゃったね」
●それって化学反応みたいなものなんですかね。
マーシー「シャラと俺の想いが、すごく強いところにあって、それがひとつになっていることは間違いないよ。フロントマンのこのふたりが、"いまやらなきゃいけないことはこういうことだ" っていうのが、同じところにあるんだと思う。同じことをやっているわけではないんだけど、"想い" というものは、それは同じところにある。"いまはこういうことをやるべきだ" とか、"今後はこういうことをやるべきだ" といったものが、同じとこにあるんだよね。ふたりとも、まわりの状況も見えるし。そういった中で今回のアルバムが出来上がったような気がする」
シャラ「まさに、そうやね。デモの段階から、ふたりの傾向が一緒やったんよね。新曲を書いてきて、ぼくがマーシーに提出したら、マーシーが "この感じは狙っているところがまさに一緒だよ" みたいな。で、今度はマーシーからデモをもらって聴いたら、"なるほど。まさにドンピシャだ" と思って」
マーシー「会社みたいに毎朝話し合っているわけではないけど、思っていたことが一緒だったんだよね。それは長いことやってきて、思うことがきれいにちゃんと重なっている感じ」
シャラ「それが話し合って重ねたものだったら、なにかそこに操作があるかも知れないけど、そういったものは一切ないし。もしもそうなら、わざとらしいものになるかも知れないしね。偶然こうやってふたりの想いが重なっていると、やっぱり強いよね」
●そういう意味で、このアルバムは本当にブレがないですもんね。
シャラ「うん」
●太いのにしなやかだし。
マーシー「美しいよね」
●ええ。
マーシー「ハードだよね」
●そう。
マーシー「むっちゃくちゃハードだけど、きれいですよねぇ」
●そうなんです。
マーシー「しかもその上、ポップなんだよね。ポップ。これがびっくりするんだ。こんなに太い音が流れているのにポップなんですよ」
●そう、ホップなんです。
マーシー「うん。ポップって言っていいと思う」
シャラ「ポップやね」
マーシー「だからいろんな人が聴けるよね。一般の人って、やっぱり歌が好きじゃないですか。それがバックにこのディストーションがこれだけ出ているんだけど、歌を聴いているという人は多いはずだよ。そういう意味では聴きやすいんだと思う」
「今回は、ラヴ・ソングのアルバムなんですよ」(マーシー)
●このアルバムは、飽きないアルバムになるだろうなと思います。
シャラ「うん」
マーシー「そう。それとあらゆる状況、生きている環境の中で、タイミングによって違うものに聴こえるかも知れない。すごく元気をもらえるものになることもあるだろうし、場合によってはとても哀しいアルバムに聴こえることがあるかも知れない。それぞれ自分の生きている環境の中でこのアルバムを聴いてもらえたら嬉しいな」
シャラ「歌の表情がいいんだよね。いろんな表情があって、それが飽きない大きな理由やと思うね」
●そうですね。だから、日本のハードロック、ヘヴィメタルというカテゴリーに収めるには、ちょっと無理があるような気がします。というか、なかなか入れにくいなと。
シャラ「(笑)」
●そこに入っていてもいいんだけど、そこだけには、全然収まらないじゃないですか。
マーシー「そこにも普通に入れるサウンドなんだけどね。すばらしいよね。どこのジャンルにでも入れますよ。コブクロのジャンルにも入れると思う」
●わははっ!(笑)。
シャラ「はははっ!(笑)」
マーシー「俺はそう思う。サウンド的には違うけど、アースシェイカーもすばらしいラヴ・ソングばかりだと思いますよ。……今回のアルバムは、ラヴ・ソングのアルバムなんですよ」
●そうですね。
マーシー「女性に対する愛も唄っているし、仲間たちに対する愛も唄っているし」
●このアルバムには、大きな愛がありますよね。
マーシー「うん。まぁ、いろいろな表現方法はしているけどね。過激な表現もあるし、ふざけた表現もあるしやさしい表現もあるし。『純情 Never Dies』はみんなで唄ってもらいたいしね。サラリーマンに集まってもらって唄ってもらったら、きっと元気が出るよ」
●この『純情 Never Dies』というタイトルのつけ方が、いかにもという感じだし(笑)。
マーシー「(笑)。でもホント、純情でなければ夢なんか見ることができませんよ。夢は常に持っていてほしいですね」
●だからそういう意味でいうと、マーシーもシャラもピュアなんですよね。
シャラ「うん。音楽が好きやからね」
マーシー「いゃあ、汚いと思うよ(笑)」
シャラ「はははっ!(笑)」
マーシー「いやでも、人よりいろんな経験をしているから……、人よりいろんなことは経験しているつもりなんだよね。そんな中で、"純情でなければいけない" っていう強い思いをもって生きているわけではないけど、ただ、ふと考えたときに、ピュアだから夢を見ることができるんだろうなって」
●アルバムという作品を聴いてみると、やはりアースシェイカーはピュアだなっていう印象があります。メロディも歌詞も音も。すべて、トータルで。
マーシー「"これをやったらいけない" "あれをやったらいけない" というのをはるかに超えてしまって。むかしなら、"これをやりたいんだけど、やっていいかな" っていう気持ちがよぎることもあったのね。それがいまは、"あれをやりたい" "これを伝えたい" というものを音にして、確実に自分たちの音をつくることができるようになったのは間違いないと思う。それはきっと、長い経験があるからだよね。だから外でいろんな仕事をしてきたけど、無駄なものはなにもない。誤解を恐れずに言えば、全部を自分のものにしてしまうパワーがあるといえばいいのかも知れない」
●それと印象としては、去年25周年を迎えたことで、まったく立ち止まっていないですもんね。
マーシー「まったくないね(笑)」
シャラ「ないね(笑)」
マーシー「"一段落" なんて、とんでもないですよ。やりたいことがありすぎて困るくらい」
●ふたりともスケジュールがパンパンですもんね。
マーシー「嬉しい話じゃないですか」
シャラ「ねっ(笑)。すごいことやね」
マーシー「うん。もっと効率よくいけばいいんだけど(笑)。なかなか効率よくいかなくてねぇ」
シャラ「そうやねぇ(笑)」
マーシー「それはきっと、これからずっとつきまとうことだろうね(笑)。それはしょうがないことではあるけど、大変(笑)。でも、嬉しいことだよね」
●そうですよね。
マーシー「"なにかしよう" と思ったら、絶対になにかはできるけどね。みんななにもせずにずっと待っているから、"なにもない" とか、愚痴をこぼす奴が多いよね」
●外に求めてばかりなんでしょうね。
マーシー「うん。待っていたらこないよね。この時代は特に(笑)」
シャラ「こないよね」
マーシー「自分も求めてはいるんだけど、"求めているなら動かないと" って感じだよね。やりたいことはやりたいから」
●そうですね。
マーシー「でも話を戻すけど、このアルバムはいいアルバムだよ。今後、自分たちがやっていく上で、生きていく上で、すごく自信になった。"がんばって一生懸命つくれば、自分たちですら驚くくらいいいものができるんだ" って思った。だからこのアルバムは自信になったね」
●そして次は、ライヴですね。
マーシー「うん。ライヴもよくなるよ。絶対にいいライヴになると思う。リズム隊にがんばってもらって(笑)。いま、リズムは一番大事な場所にあるんだよね。だからライヴでも、きっとがんばってくれると思う」
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アースシェイカーのニューアルバム「The course of Life」は、本当にいろんな人たちに聴いていただきたいアルバムになっている。普段はハードロックを聴かない人でも、このアルバムは大丈夫。"歌アルバム" なので。その歌をサポートする極上のサウンドに、どうぞ心を委ねてほしい。ずっと気にかけていた何かが、このアルバムを聴いて、ひょっとしたら楽になるかもしれないし。